Khao San 2018

かつて「バックパッカーの聖地」と呼ばれたバンコク・カオサン通り。

今カオサンに行こうとすると「今更なぜカオサン?」と言われる。屈強なバックパッカーや薬物を求める人間が集う場所を想像して訪れると、拍子抜けするだろう。

 

この10年、情報化の波の中で、バックパッカーの世界は一変した。バックパッカー同士が身を寄せ合って情報交換などせずとも、インターネットさえあればおよその情報は入手できる。宿の予約も、飛行機の手配も容易になった。世界は容易に繋がり、冒険という意味でのバックパッカーは価値を失いつつある。また、バンコクは急速な発展と観光地化が進んだ。カオサンも例外ではない。

こうした流れの中で、カオサンに「沈没」する意味はなくなってしまった。僕がかつて訪れた日本人宿「SAKURAゲストハウス」も閉店し、通りにはバンドの生演奏を楽しみながら酒を飲む人々が溢れる。

欧米、東アジア諸国から訪れた観光客が、歓楽街としてのカオサンを楽しむようになった。地元の若者たちもクラブを求め、また路上パフォーマンスなどに勤しんでいた。

 

カオサンはバックパッカーの象徴的な意味を持つ場所だ。そんな場所が今どうなっているのか、よく見てみたいと思い、毎日通い、その姿を見た。

確かに、カオサンは変わったと思う。もはやバックパッカーの聖地ではないと言えよう。しかし、僕はそれを悲観したいとは思わない。カオサンをよく見ると、それは、街が死んだということではなく、新しい街として生まれ変わったということに気づいたからだ。

 

 

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